病院から退院するのを機に新規在宅医療導入となり、退院直後の患者様のお宅へ初めて診察に伺うケースは多いのですが、このような場合、患者様は入院前と違う状態で退院されています。入院前にご自分でできたことができない状態で退院となり、在宅医療が必要となるのです。
そのような際に時として家に緊迫した、静かな空気が漂っていることがあります。
ご家族にとって患者様の退院は嬉しいことではあるのですが、変化した状況に対してこれから何をすれば良いのか、と戸惑っておられることが多いのです。
そんな時、大切なのは、「お家に帰ってきたよ」の声掛けの他に、ご自宅の普段通りの家の音を聴かせてあげること。
台所の音、ドアや戸の開け閉めの音、家族の話声、例えば患者さんがコーヒーがお好きならコーヒーを淹れてあげたりすることです(飲めないようでしたら香りだけでも嬉しいものです)。
患者さんが「ああ、家に帰ってきたんだなあ」と、五感で感じられるようにすることで、家に居るということを実感して頂くのです。つまり、普段通りにして迎えるということです。
ご自宅で「普段通り」に穏やかに過ごせる時間は、患者様にとってこの上ない大切な時間になるでしょう。
